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マルセル・デュシャンの「のぞきからくり」作品である遺作
『(1)落下する水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ』(1946~1966年)
【 Étant donnés : 1° la chute d'eau, 2° le gaz d'éclairage 】
【 Given: 1. The Waterfall, 2. The Illuminating Gas 】
に70度回転させたフランスの地形図を重ねて各エレメントを照応させる。
画面右上にレイアウトされた滝とガス灯は(1)落下する水、(2)照明用ガスが運動する場所。
照明用ガスがガス灯で燃やされ生活が明るくなったが室内でのガス中毒死、ガスによる死亡事故がおきる。
落下する水は命の育み必要なものだが水難、水害などの死亡事故がおきる。
生と死
利と害
ガス灯は20世紀初頭の最新発明の明るい白熱アウワー灯(Bec Auer)、人工物
滝は自然物
自然と人工
滝にセーヌ川上流を重ねると(逆流)
ガス灯にデュシャンの出身地ノルマンディー地方セーヌ=マリティム県ブランヴィル(Blainville-Crevon)、
裸婦の手にパリ(Paris)、セーヌ川流域のパリでは1829年にヴァンドーム広場とオペラ座広場を結ぶラ・ぺ通りにガス灯が設けられ,1840年になると7千灯がパリの夜景をつくる。
落ちる水( la chute d'eau)と照明用ガス(choke damp)は 「duchamp」もじりである。
裸婦の胸部に中央山地
乳首にクレルモン=フェラン(Clermont-Ferrand)、付近にピュイ・ド・ドーム(fr:Puy de Dôme(1464m)、
ピュイ・ド・サンシー(fr:Puy de Sancy)(1886m)
腋にヴィシー(Vichy)。、クレルモン=フェランに近い温泉保養地。第二次世界大戦期にはヴィシー政権が置かれた場所としても知られている。
映画「カサブランカ」には、登場人物の警察署長が「ヴィシー水」を捨てるという象徴的なシーンがある。
腰周りにローヌ川のみぞ(sillon rhodanien)
臍に「フランスのへそ」とよばれるリヨン(Lyon)
裸婦の下半身にアルプス山脈、ジュラ山脈。
陰毛のない割れ目にレマン湖。
地図を重ねることにより多層な意味のレイヤーの関係を浮かび上がらすことができる。
意味の反転、中性化、矛盾。
YES and NO
覗き穴から人生の意味と無意味と超意味が楽しめる作品です。
よく考えて駄洒落、言葉の遊び、仕掛けの凝らした作り込んだ作品です。
マルセル・デュシャンの方法は岡本太郎の対極主義と共通するところがあるが、デュシャンはクールで岡本太郎は暑苦しい。
- 2010/04/27(火) 11:18:03|
- AHO YANOO!
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